あいのり 第326話
「after the war」
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ラブワゴンで移動中、ちゃきは、タチの隣に座っていたが、ひさよんが、
ひさよん「ごめんタチ ちょっとちゃきと話したいから代わってもらっていいかな?」

と言って、タチと席を変わる。 そして、ひさよんは、ちゃきに、
ひさよん「なんか昨日とかのさ ひさよんがその時言った意見とかほんとになんか周りのみんなのためになると思ってとか そういうきれいごとだけの変な正義感みなたいなの振りかざしてさ ひさよんの本音の部分を出してなくて でも そんなの違うなとか思って あの時の感情を素直に言ったら(田上くんを)憎む恨むなんてもちろんあったし 正直に言うと貴重なあいのりの旅の3カ国を返してよって すごい思ったし でも それだけじゃなかった 自分と同じ気持ちの人をもうこれ以上作りたくなかったっていうのも本心」

すると、ちゃきは、
ちゃき「そうだったんだ もしひさよんの立場だったら 絶対ショックを受けてたと思う ひとつひとつ私の言葉はひさよんを傷つけてしまったし 迷惑をかけてしまったし 心配もかけた ひさよんがあそこまで追い詰められたというか・・・あそこまで相手を想ったからこそ言ったことがよく理解できた」
ひさよん「ありがとう」

2人は、和解したのか?

その夜、総理スタッフルームへ。実は、総理、今まで2人の女性と付き合ったことがあるが、分かれたり理由が、まったく同じ、その理由が、「一緒にいて楽しくない」。そのため、どうしたら、ちゃきに楽しんでもらえるか悩んでいた。

翌日の夜。総理は、ちゃきを誘う。ちゃきを喜ばせるため、プレゼントをすることに、いろいろ選んでは見てみるものの、総理が選んだものは、みなセンスが悪く、ししとうが2個ついたピアスを選んだときは、
ちゃき「虫?わぁ 重くて耳ちぎれる〜」

と言われて、拒否される。プレゼント作戦はことごとく失敗。

夕食後、メンバーは、貧乏旅行で旅の資金が浮いたのでクラブへ行くことに。ちゃきひさよんがいっしょになり、
ひさよん「これで飲んでみ〜」
ちゃき「おいひ〜い」
ひさよん「おいしい?」
ちゃき「今日 飲める!今日 飲めるよ」
ひさよん「飲も〜ぜ〜!」
ちゃき・ひさよん「イエ〜イ!」

楽しそうにも飲む。今度こそ、和解はしたのだろうか。

そんな中、先ほどのプレゼント作戦が失敗した、総理は、後ろのほうで引いていた。
総理“みんなが盛り上がってる場所だと不自然なほどに引くっていうか そこに溶け込んでいかない自分っていうのがよくいて”

ちゃきの問いかけにも、応じることができなかった。

しばらく、クラブで飲んでいると、ちゃきの具合が悪くなる。普段、飲んでいないお酒を飲みすぎて、気分が悪くなってしなったようだ。そして、ちゃきは、植っきに向かってゲロを吐いてしまう。
ちゃき「臭い〜 ごめん 嗅がないで〜嫌いになんないでぇ」
植っき「ゲロぐらいじゃ別になんも思わんばい うんこ漏らしたらビックリするばい」
ちゃき「アハハハ」


翌日、メンバーは、「国際行方不明者捜索機構」を訪れる。ここは、身元不明の遺体を家族に返す取り組みをしている。数日前(第325話)で、ハティージャさんが、
ハティージャさん「内戦後11年たった今でも息子の骨も主人の骨も見つからないの」

と言っていた。しかし、ちゃきは、骨が見つかったら見つかったで、今度は、今以上に相手をうらむのではないかと思っているので、それに、引っかかった総理が行くことを提案したのである。
中には、3000体ものバラバラ死体が保管されている。そして、身元がわかった遺体が家族の元に返される部屋がある。
総理「遺族の方たちの話を聞くと自分のお父さんとか旦那さんとか子供とかがまだどこかで生きているって そう信じている人も多くて だけどこういう骨を返されたことによって苦しみの終焉を・・・本当の意味でその亡くなったっていうことを理解できた そうやって遺族の方が言ってくれる」
ちゃきの日記“死と直面することでやっと遺族の戦争が終わる 知ることの大切さを総理に教えてもらった”


帰り、ちゃきが、
ちゃき「自分がさ 持ってる悩みってちっぽけなのかな?あの人たちは傷がさ深いと思うけど癒える時はくるのかね?まぁもちろん比べたら逆に失礼だとは思うんだけどさ」
総理「ちゃき的にはそう感じたの?小さいなって思った?」
ちゃき「情けないなぁって」
総理「(内戦被害者の悩みとは)まぁ 比べられないけどちっぽけなことって思うのもおかしいと思うし ちゃきの中では大きいと思うし それで少しでも比較してプラスに今動いてるのならいいんじゃない?それは」
ちゃき「いいのかな?」

気軽に相談してきてくれたちゃき総理はうれしい思いであった。

そして、深夜、総理は、新たな作戦に出た。プレゼントはプレゼントでも今度は、自分の思いを詩をちゃきに聞かせてあげることにした。
僕は君の鏡になりたい
君が泣けるように僕は思いっきり泣くし
君が笑えるように僕は思いっきり笑うよ
涙にあふれた君の目には僕のことなど映ってはいないだろうけどそれでもいいんだ
僕はただ君の涙を拭うために君の傍にいるよ

ちゃきは、
ちゃき「ちょっと すごい 素敵な詩だね」
総理「はい」
ちゃき「くれるの?」
総理「うん」
ちゃき「字 上手いし」
総理「それをね 夜読んで寝るとね いいよ じゃあ ごめんね 夜遅くに」
ちゃき「また明日」
総理「うん じゃあまた おやすみ」
ちゃき「おやすみ」

そのまま、詩を見つめていた。。。

翌日、総理ちゃきが2人きりに。沈んでいく夕日に向かって、2人は、Dreams Come True「未来予想図II」を歌っていた。。。


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