あいのり 第386話
「劣等感」
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この日、メンバーは、ドイツを南下した。その際に、高速道路を走ったが、この高速道路は、無料な上、制限速度が無い。
そんな高速道路を走っていると、1台のポルシェがラブワゴンの後ろをつけてきた。そして、ポルシェは、ラブワゴンを追い抜いていった。すると、ドライバーは、「少し遊んでみるか。」と言って、ポルシェを抜き返した。ポルシェは、追いかけてこないように見え、ラブワゴンが勝ったように見えたが、ポルシェのドライバーほうが火がついたようで、猛スピードでラブワゴンを抜いて、一瞬でいなくなってしまった。

その日の夕方、食事のとき、カルボナーラは、ドイツ語で注文をした。カルボナーラは、密かにドイツ語を勉強していて、基本的な会話はできるようになっていた。リョウは、そんなカルボナーラの姿を見ていた。

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翌日、ラブワゴンでは、大学の話で持ちきりになった。実は、メンバーの中で、大学在学中が3人、卒業生が2人いたため、話があった。しかし、大学に在学していない2人のうち1人、カルボナーラは、この会話に苛立ちを憶えた。「親に何百万の授業料を出してもらって、遊べるみたいな。」

実は、カルボナーラは、2歳のときに親が離婚しており、母一人で育てられた。そのため、家計が厳しく、大学どころか、高校を2年で中退していた。
このことで、カルボナーラは、メンバーから距離を置いてしまうことになる。

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翌日、昼食のレストランで、カルボナーラリョウが、ドラゴンボールのキャラクター当て山手線ゲームで対決した。両者とも、あまりに手ごわく、勝負がつかず、見ていたメンバーは、飽きてしまった。

翌日、メンバーは、バスケットボールをする事にした。運動神経抜群のクロに対して、宮くんは、パスが取れず、転倒してしまうほどの運動音痴、当然、シュートも全く入らなかった。

バスケからの帰り道、から、宮くんに質問、「初チューの場所は?」。しかし、宮くんは、キスの経験が無かったため、答えられなかった。宮くんいわく、「普通の20歳とは、かけ離れている。趣味も特技もこれと言ったものは無い。」

その夜、メンバーは、トランプ大会を行う。負けた人は、罰ゲームとして、今までの人生の中で最も恥ずかしかった話をしなければならない。勝負の結果、負けたのは、だった。
の最も恥ずかしかった話は、「高校のとき、あまりにも胸が無く(俗に言う「まな板」で)、胸を大きくしたがゆえに、とあるマシーンを購入した。それが、胸を吸い取るようにして大きくするマシーンだった。」
メンバーは、そのマシーンに興味津々、カルボナーラは、マシーンの名前をに聞いてみた。すると、は、「ボンボンな〜る」と答えた。
この、「ぼんぼんな〜る」、現在は残念ながら販売終了しているそうであるが、スタッフは、極秘入手し、実際に試してみたそうである。

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翌日、ベルリンの中心部で、お墓のようなモニュメントを発見する。ドライバーいわく、「ユダヤ人虐殺の追悼碑だよ」。ナチス時代、政権をとったヒトラーは、強制収容所をさまざまな場所に建設、600万人のユダヤ人を虐殺した。モニュメントの傍らには、黒い看板があり、そこには、かつて強制収容所が存在した場所が記されていた。
強制収容所の歴史を忘れないようにするためのものであった。

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その夜、カルボナーラは、Remiではなく、を誘った。リョウは、もちろん、Remiを誘った。カルボナーラは、先日、メンバーの5人が、大学の話題で盛り上がったときから、Remiに対して、違った見方をするようになっていた。高校中退のカルボナーラにとって、社長令嬢のRemiの存在は、劣等感そのものだった。

その日の夕方、メンバーは、買物を楽しむ事にした。は、宮くんと、ダニーは、クロと行く事になり、残ったのは、カルボナーラリョウRemiの3人であった。始めは、残った3人で、会話しながら回っていたが、次第に、カルボナーラの口数が少なくなっていった。立ち寄ったアイスクリーム屋では、カルボナーラは、「アイスいいや。」と言って、リョウRemiを残して立ち去ってしまった。
そのとき、リョウは、「わざと(カルボナーラが)いなくなったのは、見え見え。「借り貸したよ。」と言った感じが気に入らない。」と思った。
しかし、カルボナーラは、決して、借りを貸す為に立ち去ったのではなかった。「Remiは、恋愛対象としては難しすぎる。お互い違いすぎる。」
カルボナーラは、Remiをあきらめようとしていた。。。

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あいのり #386

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