あいのり 第387話
「壁崩壊」
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ラブワゴンは、ベルリンを離れ、南へと進む。その途中、ドライバーの友人のきゅうり畑へと立ち寄る。
ここでは、ピクルスに使うきゅうりの収穫が行われており、メンバーも手伝うことにした。
Remiをはさんで収穫するのは、カルボナーラリョウの2人。リョウは、Remiと談笑しながら収穫するが、カルボナーラは、2人に入れず、1人黙々と作業をしていた。カルボナーラいわく、「しんどかった。」

その夜、カルボナーラは、スタッフに現在の心境を打ち明けた。「ドイツに来て、そんなに旅を楽しめない。Remiには、同じくらいの年の若い子(リョウ)が良いと勝手に思ってしまう。」カルボナーラは、リタイアを考えるほど弱気になっていた。

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翌日、メンバーは、公園に向かう。カルボナーラは、自分の旅が楽しくなるように、精一杯の作り笑顔でほかのメンバーを公園の芝生で食べる昼食へと誘う。しかし、笑顔の中に見せる悲しげな表情に気づいたのは、リョウであった。「誰よりも悩んでいるのは分かるし、誰よりもがんばっていると思う。」

夕食は、資金節約のため、自炊することにした。今回は、カルボナーラが、「カルボナーラ」を作ることにした。さすがに、1人では作れないので、クロの誘いで、Remiが手伝うことになる。しかし、Remiは、社長令嬢とあって、料理の経験はゼロだった。にんにくの皮をむくことになるが、時折、自分の手の皮もむきそうになる。
そんなことをしているうちに、カルボナーラ製カルボナーラが完成する。そこで、メンバー全員で試食してみることにする。すると、メンバー全員が、「おいしい。」と大好評であった。これにより、少し、自信を取り戻したのか、カルボナーラには、笑顔が戻る。

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食事後、部屋で、リョウカルボナーラが2人きりになる。まずは、大学の話、リョウいわく、「まじめな人もいるけど、自分みたいに全然な(遊んでいる)人もいる。」続いて、カルボナーラの高校中退後の大工の話へ、「午前8時から午後5時まで働いて日当4,000円」。そして、カルボナーラの家庭の話へと進む。ここで、リョウは、カルボナーラの両親の離婚の話を聞くことになる。

その日の深夜、リョウは、スタッフに、カルボナーラの話について、「聞かなきゃよかったと思うし、聞いちゃうと情けがわく。知りたい部分もあったけど、聞いちゃうとだめ。」

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この日、ラブワゴンがやってきたのは、古都「ドレスデン」。まず、メンバーは、「フラウエン教会」へ。第二次世界大戦では、破壊されたが、戦後、36万個の破片をもとに2005年に再建され、世界遺産に登録されている。

翌日、ラブワゴン内では、クロの隣に宮くんが座る。しかし、宮くんは、話題が見つからず、どんどんクロから遠ざかって行き、10分後には、後ろに逃げてしまった。クロは、言葉にならない。

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翌日、ラブワゴン内では、リョウRemiが2人になる。これも戦後復元されたと言う、「ツヴィンガー宮殿」の前で会話したのは、終始、カルボナーラのことであった。

その日の夕方、かつて、ライバル同士であった、カルボナーラリョウが失恋の話で盛り上がっていた。ライバルとは思えない雰囲気であった。カルボナーラも、「あいつ(リョウ)が、理解してくれたり、理解しようとしてくれるのは、すごくうれしい。」

夕食後も2人は、共に歩き、会話を楽しむ。かつて、「ライバル」という壁でふさがれていた2人は、お互い、「ベルリンの壁が崩壊」したような感覚だった。
2人は、男性同士で恋をしているような感じで、クロの2人が、「(突然、変わってしまった2人に、気持ち悪い。)」と口を揃えていた。

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あいのり #387

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