パンツ店長の
こーすけは、この日もお休み、メンバーの6人は、レストランにやってきた。ここで注文をしたのは、
「フーフー」という、バナナとヤム芋を混ぜたもので、餅のような食感らしい。食べる前に、
ドライバーは、女性メンバーだけを集めて、
「あれは、女性のおっぱいだよ。」と言う。女性の胸のように見えるこの料理の食べ方で、男性のおっぱいテクニックがわかるという。女性メンバーは、男性メンバーの食べ方に注目することにした。
聖二と
宮くんは、手に取るのに苦労しており、女性メンバーの反応もいまいち。だが、女性メンバーの視線を釘付けにした男性メンバーが1人いた。それは、
海であった。このメンバーの中では、
海が一番、おっぱいテクニックがうまいようだ。
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翌朝、
聖二は、日本から持ち込んだサッカーボールで1人、リフティングを行っていた。
よっこのことを考えながら。。。
一方、
聖二と
よっこのほかに、もう1組、恋が動いていた。ラブワゴンの後ろに座る、
宮くんと
桃である。
桃は、このとき、穴のあいた、金庫番用の財布を直していた。ラブワゴンが揺れていたので、
宮くんは、針を刺さないか心配であったが、
桃は、気にすることなく、
「そう?」と言って作業を続ける。
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この日は、
宮くんと
クロが一緒になる。
クロは、
宮くんに最近の恋愛はどうかと聞く。すると、
宮くんは、
「頑張っているよ。クロも頑張っているじゃん。」と言う。
クロは、
「私、頑張ってる。」と言う。
宮くんは、最近、夜、ふと寂しくなることを
クロに言うと、
クロは、
「それって、恋なんじゃない?」と言う。
宮くんは、気づいた。自分が、
桃に恋をしているということを。
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この日は、3日ぶりに、
こーすけが合流した。その翌日、
ドライバーは、ジャングルの中に連れてきた。そこになっている木の実を割ってメンバーに食べさせた。メンバーが、
「おいしい。柿みたい。」と言うこの実はカカオの実、チョコレートの原料になるものだった。
カカオは、湿度90%以上のところでしか育たない、貴重な実で、遠い昔は、お金として使用され、100粒で奴隷が1人購入できたそうである。
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ジャングルを歩いていると、子供が2人、カカオの実を取っていた。学校の先生になるのが夢の
エバネッサくん10歳と、サッカー好きの
エマニエルくん5歳の2人である。メンバーは、2人と一緒にカカオの収穫を手伝うことにした。2時間後、メンバーは、
「暑い。」「疲れた。」と言って、手を休めてしまったが、2人の子供は、黙々と作業を続けていた。
その後、メンバーは、2人の家に案内してもらった。屋根は藁、壁は土で出来た6畳1間の部屋に父と母を含めた4人が生活している。
2人の日課は、日が明けると起き、まず、2km先の井戸まで水を汲みに行く。戻ると、家事を手伝い、学校へと行く。学校から戻ると、カカオ農園で4時間働き、夕食を作り、庭の掃除を行う。日が落ちるまでに、友達と遊ぶ時間はほとんどない。
メンバーは、夕食を共にすることにした。小さめな器だが、これで11人分である。この日は、貴重な鶏をさばいてくれた。
はじめ、子供たちが食べるのを見ているだけのメンバーであったが、
聖二の
「食べようぜ。おいしいから。」の一言でメンバーも食べてみる。すると、メンバー全員、
「辛い。」
メンバーたちの食事が終わっても、子供2人は、残った食事を余すことなく食べていた。
食後、子供たち2人は、靴下を丸めたものをサッカーボールに見立てて、サッカーをし始めた。2人の数少ない遊びの時間である。
聖二は、グサッと来て、泣きそうになった。
両親も、2人にもっと遊ばせてあげたいが、収入は、1日55円、年収も2万円ととてつもなく生活は苦しい。
宮くんは、子供たち2人に聞いてみた。
「チョコレートを食べてみたことある?」無論、2人は、
「ない。」、親も、
「見たことがない。」と言った回答だった。日本では、カカオ=チョコレートなので、
クロは、びっくりしていた。
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ホテルに帰ったメンバーは、話し合っていた。
クロいわく、
「この人たちがいなければ、チョコレートを食べれない。」すると、
宮くんは、
「見たことも食べたこともないと言っていたじゃん。ひとかけらずつどうかなと思うのだけど。」
海は、
「それは、良いよね。」と言う。しかし、
桃は、
「あげることはできるけど、あげてどうかな。」2人にチョコレートをあげることは出来るけど、その後、チョコレートを一生食べられないと悲しくなるかもしれない。
メンバーは、その後も、2人にチョコレートをあげようか悩んでいた。
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翌日、メンバーは、再び農園を訪れた。
クロは、
「昨日のお礼をしに来ました。」と言い、子供2人に、まずは、メンバーの似顔絵付きノートをプレゼント、次に、
聖二が持っていたサッカーボールにメッセージを書いてプレゼント、そして、最後に、チョコレートを見せてあげた。
そして、2人に食べてもらった。2人は、
「おいしい。」と喜んでくれた。母にも食べてもらい、
「甘い。」と言ってくれた。
その後。メンバーは、笑顔で食べてくれたことをうれしく思った。
桃は、
「(2人に、)こんなおいしいものを作っているんだって、ほこりに思ってくれるといいな。」と思った。
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