あいのり 第243話
「ハートの半分」
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あいのり #243

ケニアのナイロビを走るラブワゴン。しばらくすると、目を疑う光景が、
じゅん平「怖いな」
かよ「一本(道)入っただけで全然違うね」
ここは、「キベラ」(※1)という、ケニア最大のスラム街。メンバーが泊まるホテルからは、20分しか離れていない。

※ (※1):(参考) キベラを歩く ( うぺぽ篠山だより )

そして、ラブワゴンは、とある場所へ止まる。今にも崩れそうな建物は。
ドライバー「ここは私の知人がいる小学校です。」
メンバーは、愕然。
じゅん平「これ小学校?」
おーせ 「ボロボロじゃない?」
ヒデ「臭いが凄いな」
じゅん平「凄いよね」
ヒデ「何の臭いかと思った」
そして、校長先生のダルマスさんが登場。
ダルマスさん「よくいらっしゃいました、我がホーリーユニティ小学校へ」
メンバーは、8歳児のクラスの授業に参加されてもらうことに。生徒さんの服には穴、鉛筆はとても短く、ノートはぼろぼろ。かばんは、拾ったビニール袋。
メンバーが次に案内されたのは、生徒さんの寄宿舎。6畳の部屋に11人が生活する。
ダルマスさん「ここは全く身寄りのない子供たちが生活している寄宿舎です。実はこの学校の生徒の多くが孤児なのです」
この小学校は、「ハランベー」(スワヒリ語で助け合い)で建てられたもの。月に一度、スラムの住民から寄付を募っている。しかし、寄付だけでは、給食費が足りず、この学校の給食は、一握りのウガリのみ。
ダルマスさん「私の願いは育ち盛りの子供たちにお腹一杯食事をさせてあげたい。ただそれだけです。」

その日の午後、メンバーは、小学校の生徒さんたちに食事を作れないか相談。
じゅん平「自分らが例えば、昼は抜こうとか、出来るんだったらお金は出ます」
ヒデ「作ろう、それ(ご飯)を!」
イッチー 「貧乏旅行しようや!」
そして、メンバーは、昼を抜いて小学校のためにご飯を作ることに。

材料をそろえたメンバーがホテルへ。話を聞いたホテルのシェフも賛同してくれて、
ヒデ「マジで驚くだろうねー子供たちは」
かよ「驚くよー」
ヒデ「ヤッタどぉ!」
メンバー「ワ〜ィ」
4時間後、400人分のシチューが完成。
翌日、今度は、ウガリを作る。
イッチー 「うわ」
瀬里葉「いいよ、押さえてるから。」
メンバー「出来た!」
メンバー「わ〜い!」
食事完成。

早速、メンバーは、完成した食事を持って、小学校へ。メンバーは、一人ずつ、食事を生徒さんに配り始める。
瀬里葉「一番前の子に、赤い子に、コレ」
裕くん「はい」
瀬里葉「いっぱい食べてね」
イッチー「大きくな〜れ」
生徒さんたちには、笑顔が。

そして、1時間後、食事は終了。
ダルマスさん「今日はどうもありがとうございました。子供たちも大喜びで大変嬉しく思います。これで私の長年の夢が叶いました。本当に感謝しています。ありがとう。みなさんに神のご加護がありますように。」
そして、別れのとき、メンバーが手を振ると、子供たちが追いかけてくる。
子供たち「♪さよなら さよなら もう帰ってしまうのですね。また来て下さい。歓迎します♪」

帰りのラブワゴン車内、メンバーの感想。
裕くんの日記“一瞬だけの笑顔のために何かをするのは意味のないことかもしれない。でも何かをするっていうのは大事だ”
イッチーの日記“オレたちのやってることは自己満足って言われるかも知れん。でもそれで誰かを少しでも救い喜ばせられたらめっちゃ素敵なこと”
おーせ の日記“空はすごくキレイなのにそれを写す川はゴミだらけ。キラキラ笑う子供の靴はボロボロだった。神様はいじわるだな・・・”

翌日、子供たちの給食費を旅の資金から捻出してしまったメンバーは、節約のため、自炊することに。イッチーかよが気になって仕方がない、ヒデは、イッチーかよの3人で、買い物へ行く。しかし、ヒデが人形に気を取られている間に、見失う。
ヒデ「出遅れた・・・」

その夜、スタッフ部屋を訪れたヒデは、
ヒデ「やっぱり2人はお互いに年齢も近いし仲も良いし考え方も合うと思うし何より一番楽しそうに喋ってるというか・・・う〜ん・・・正直今日は逃げたいと思いました。日本に逃げたいと」
これが、誤解の始まりであった。

翌日、落ち込んだヒデおーせと一緒に。
おーせ 「自信ない奴なんてみんなないってば。おーせ の人生失敗だらけだよ。でもその分得るものも多い。だから、それを次にしなきゃいいっていうだけで、だからいいんだよ。何か、失敗は何か、ホント勉強みたいな感じで・・・傷つかない恋愛なんてないよ。」
ヒデ「うん・・・」
おーせ 「だから平気だよ。何かロボットと恋する訳じゃないんだから、何か傷つくのが当たり前だからしょうがないよ。」
ヒデ「あぁ・・・確かに。ロボットじゃないね・・・みんな・・・」
おーせ 「何か人間だけだと思うよ、何か好きで付き合ったりとかできるの」
ヒデ「あぁ・・・だね」
おーせ 「凄い何か、人間だけが与えられた特権!みたいな」
ヒデ「うん・・・」
おーせ 「だから何か、後悔ばっかで恋しないよかはーその後悔を生かして何か次の恋でピュッって、幸せになった方がいいと思う。自分で変ろうとしなきゃさー、恋なんて出来ないよ」
ヒデ「だよね!」
おーせ 「そうだよ」
ヒデ「だよね・・・ホントそうだよね」

翌日、おーせに元気付けられた、ヒデかよの隣に。
ヒデ「俺ってホント、旅始めた時って、めっちゃ挙動不審で、人と目もろくに合わせられなくて、常に違うとこ見ながらしゃべってたし、けど、凄い話せるようになった。実際それは、だから、かよの、お陰だと思った。かよと喋ってるうちに、何か自分を成長させたいって、おも、思えた。人間は誰しもが生まれた時に、ハートの半分を持ってるのね。同じハートなんだけど形が全然違って、で、でもピッタリ合う人が必ずいるの。でもそのハートは、ずっと同じ形じゃなくて、あのー生きていくうちにどんどん形が変わっていくの。その人が、悲しいことを思ったり、嬉しい思いしたり、幸せな思いしたりしてるうちに形がどんどん変わって。で、半分半分こうカチャッて。こうハートって。ハートの形は変えられますからね。自分の形も変えれるし。人間ってね、素晴らしいよね、あのさー好きって思った時に好きって思える頭が、左脳があるじゃない、で、好きって言える口があるじゃない?で、それを聞ける耳があるじゃない?だから好きな人を見つけた時に凄い、気持を伝えられる生き物、人間は!」

その日、かよは、
かよ“何かね、色んな話することもいいし、何か、素直っていうか、もう本当、きっとありのままなんだろうなっていう・・・感じで。結構好きかな。うん。めちゃめちゃいい!めちゃめちゃいいって思う・・・思うようになってしまいました。”
このことを、ヒデは、まだ知らない。。。
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