あいのり 第370話
「日本精神」
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この日、台湾のとある新聞の朝刊では、あいのりの記事が大きく取り上げられていた。そのためか、ラブワゴンの前には、台湾のあいのりファンが殺到した。応援メッセージが書かれた垂れ幕を掲げている人、メンバーやスタッフに手作りのプレゼントを渡す人などさまざまである。中には、通り過ぎるまで追いかけるおっちゃんまでいた。

そして、あいのりファンを掻き分けるようにやってきたのは、「西門町」と呼ばれる、日本でいえば原宿のような場所。そこで、廣江は、モリケンを誘った。
廣江は、金庫番であるモリケンのために財布を一緒に選ぶ。

その夜、廣江は、廣江は、モリケンが選んだ財布に紐を通していた。

翌日、廣江紐を通した財布をモリケンに手渡した。モリケンは、一応、ちぎれないかどうか、廣江に確認する。と、その時、モリケンは、廣江の化粧が普段よりも濃い事に気が付いた。廣江は、わらってごまかす。

その夜、メンバーは、台北で最も一番賑やかな屋台の集まる場所「夜市」にやってきた。夕食も屋台で食べる事にした。
まず、最初に出てきたのは、「魯肉飯(ルーローファン)」と呼ばれる、ご飯に豚肉の甘辛煮をかけたもの。しかし、これは、前菜。次に出てきたメインディッシュは、「蛙の姿煮」グラさんと、くぅは、歓声を上げて喜んでいたが、廣江は、「皮がむけてきておる。」と、ドン引きする。
グラさんは、この姿煮を5匹分完食する。

その日の深夜、グラさんは、くぅを呼び出した。いきなり結婚後の話を切り出し、ご機嫌の様子であった。

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続いてメンバーがやってきたのは、「大渓」と呼ばれる場所。ここには、日本風の古い建物が建っていた。そこにいたのは、日本語を話すおばあさん。台湾人であるが、心の中では日本人と思っているそうだ。

19世紀末に、清国(現在の中華人民共和国)の領土であった台湾は、日清戦争に清国が敗北した事で、大日本帝国(現在の日本国)の植民地となった。そこで、日本がとったのは、台湾を日本と同じようにしようという、同化政策。人々には、日本の名前を付け、日本語での教育を行い、日本と同じようなインフラを整えた。
しかし、1945年、大日本帝国は第二次世界大戦で敗北し、台湾を中華民国(現在の中華人民共和国)に返還することになってしまう。しかし、当時の中華民国は、毛沢東率いる共産党と蒋介石率いる国民党に割れており、最終的には、共産党が中華人民共和国を建国、国民党は、台湾に逃れ、台湾(中華民国)とした。
台湾は、当初から国際連合に加盟していたが、1971年に中華人民共和国が国際連合に加盟、納得がいかなかったため脱退。台湾は、中華人民共和国の一部とされてしまった。

このおばあさんは、日本人に対して恨んではいない。むしろ、「義理堅い 真面目 勤勉」という日本精神を教えてくれたので感謝していると言う。

台湾の人々は、日本以上に日本を大切にしている。しかし、今の日本は、台湾を国として認めていない。

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その夜、グラさんは、くぅを呼び出した。話題は、「いま、やりたいこと。」フルートや歌、ダンスや芝居と多くの事を経験しているくぅグラさんは、「すごい。」くぅは、「何事も経験。」と言う。グラさんは、「やりたいことやりっ放しだからやばい。」と言うが、くぅは、「仕事にとらわれるよりいい。」

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翌日、廣江は、モリケンを誘った。モリケンは、廣江のデザインしているものに興味を持ち、「何をデザインしているの?」と質問するが、「デザイナーと言うよりクリエイション」と、的のあわない返答をされてしまう。モリケンは、廣江のことを「わかりにくい。」と思う。

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翌日、モリケンと、くぅが2人になる。モリケンは、自分の恋愛観として、「相手に束縛されたくない自分」をアピールする。すると、くぅも、「自由にして 束縛もされずに自分のやりたいことやる。会えるときに会えればいい。」と、やはり、いろいろな事をしたいため束縛されたくない自分をアピールした。
グラさんは、2人が意気投合しているのをじっと見ていた。

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帰国したらくぅの和太鼓姿も見てみたいものである。

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あいのり #370
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