あいのり 第375話
「地球の未来」
メンバーは、ドライバーと共に散歩をしていると、子供たちが遊ぶ広場のようなところがあった。しかし、この広場、よくよく見てみると、滑走路であった。ここは、ツバル唯一の国際空港、週に2便しか発着が無いため、飛行機が来るとき以外は、遊び場として開放している。
その日の午後、メンバーは、ドライバーの自宅に招待される。ドライバーの家族は、奥さんと2人の赤ちゃん、そして、ドライバーの両親・親戚合わせて10人。
家族の1人が、「これから、ツバルの生活を見せてあげる。」と言うので、メンバーもご一緒させてもらう事に。
まず、家の裏庭にある椰子の実を取り、皮むきを見せてもらう。メンバーは、皮をむき終わった後の実を食べてみる。梨みたいでおいしかった。
その後、男性メンバーは、釣り、女性メンバーは、ドライバーのお母さんの手伝いとなる。
男性メンバーは、ラブボートに乗り、つりをする。ここでは、小さい魚は逃がさないといけない。
一方、女性メンバーは、椰子の葉を使い、帽子を作る。今回は、帽子だけであったが、他にも、ほうきやうちわなども椰子のはで作る。
次に作るのは、料理に使う、ココナッツミルク作り。椰子の実を削り、椰子の皮に包んで絞る。
しばらくして、男性メンバーが釣りから帰ってくる。結構おおきな魚が釣れたようである。釣れた魚は、蒸し焼きにして夕食にする事にした。蒸し焼きの際、魚が崩れないよう、椰子の葉で包み、焼く際に使う燃料は椰子の殻、とった椰子の使えるところはすべて使うようにしている。
釣りをするときは、大量に獲って売ってお金を得るのではなく、自分たちが今日食べる分しか獲らないと言う。また、小さい魚を海に帰しているのは、自分の子供や孫の代まで魚が食べられるようにするためだと言う。
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ある日、ラブボートで近くの島に行くと、浜辺には、椰子の木が倒れ、島の畑には、水溜りが出来ていた。なぜか、ドライバーに聞いてみると、「今 ツバルに異変が起きているんだ 島が年々小さくなってきている。」と言う。
畑の水溜りは、海水で、作物にも影響が出ていると言う。
メンバーは、その原因を知るため、過去に、ツバル一の高層ビルと紹介した、「政府庁舎」へと足を運ぶ。会議室のような場所に案内されたメンバーは、「首相の第一秘書官」と言う肩書を持つ、偉い人に会う事になる。
秘書官は、メンバーと会うなり、ショッキングな一言を言う。「ツバルは地球温暖化による海面上昇によって世界で一番最初に海に沈む国と言われています。その原因はあなたたち先進国にあるのです。」
地球温暖化は、先進国によって大量に二酸化炭素が排出され、その二酸化炭素が大気中にとどまるため、熱が宇宙に逃げなくなり、地球全体の温度が上昇、同時に地球上にある「氷」が溶けて海面が上昇すると言うもの。
しかし、海面上昇の原因となっている氷は、南極や北極などの海に浮かんでいるものではなく、氷河や陸地の氷である。
また、2005年には、京都で地球温暖化防止の為の世界会議が行われ、「京都議定書」と言うのが承認されました。この議定書には、各国、二酸化炭素をあまり出さないようにしましょうという取り決めと削減目標が盛り込まれました。
しかし、この議定書には、欠陥とも思える抜け道があった。発展途上国等に代わりに削減してもらい、「排出権」と言う名目で買い取る事によって、目標達成と言う事に出来たそうである。
ツバルは、平均海抜1m、最も高いところでも3mほどしかない。現在、1年に1cmの割合で上昇している海面は、100年後には、ツバルを沈めてしまう事になりかねない。
ツバルの学校では、「地球温暖化」に関する授業も行われている。そこでは、生徒に100年後のツバルの絵を書いてもらう。ほとんどの生徒が、海の中で生活する人々を書くという。
日本でも、地球温暖化に関して、何も努力をしていないわけではない。バス停車中の「アイドリングストップ」や、スーパー等の買物での袋をもらわない「マイバック運動」などが最近になって始まっている。しかし、こう言うことを行っている人(業者)はまだまだ少数であり、地球温暖化防止のために、今後も広めて行く必要はあると思われる。
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(今回の相関図は、省略します。)