あいのり 第238話
「アフリカの純情」
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あいのり #238

タンザニアの大地を進むラブワゴンが次に向かったのは、ドライバーの友人のタブさんご一家。タンザニアでは、一夫多妻制が認められているので、この一家は、18人兄弟、全部で48人の大家族である。

メンバーは、御一家の団欒に参加することに、まず、出てきたのが、
瀬里葉「これ何?」
メンバー「和菓子みたいな」
瀬里葉「土、土、土!」
これは、女性限定のデザートで、赤土で出来ている。タンザニアの赤土は、妊婦の栄養補給や、若い女性のお肌のケアにいいらしい。
そんな中、地元のおんなのこがヒデを見て、
地元のおんなのこの会話を通訳「何でこれ(ピアス)開けたのって?タンザニアでは男の人は開けない」
ヒデ「(通訳に)彼はオカマです(と現地のおんなのこに言ってください)やばいっ!言っちゃダメ。ジョーク!」
でも、言ってしまったのか、地元のおんなのこが大興奮。

翌日、村では村祭り、メンバーは、ダンスで祭りに参加することに。メンバーは7人しかいないので、どうしても男性が一人あまる、そこで、地元のおんなのこをダンスに参加されることに。そこで、参加となったのは、ペンドちゃん18歳。18人兄弟の9人目。

その日の午後、ヒデのとなりには、さきほど、一緒にダンスを踊った、ペンドちゃん。どうも、ヒデのことが気になるようで、ヒデと目があわせられない。気になるので、ADがちょっと聞いてみることに。
AD「ヒデについてどう思う?」
ペンド「かっこいい。好きな人はヒデです」
AD「え?ホントに好きなの?」
ペンド「うん、好き」
なんと、ペンドちゃん、ヒデに恋をしていたのである。さらに、
AD「付き合うってなったら、本当に付き合いますか?」
ペンド「はい付き合います」
AD「本当に好きなんだね」
ペンド「髪とピアスもいい」
どうやら、本気のようである。この話は、ディレクターにも報告され、ディレクターも、「おもしろそうだから」と言う理由でやってみることに。

現に、過去にも現地人と恋の落ちてしまうケースは3例ある。
1回目は、第44話〜第47話(イタリア)での、パオロと、なお(パオロが告白するが失敗)、第173話〜第177話(フィリピン)での、宮ケンと、ミッチェル(宮ケンが告白するが失敗)、第214話〜第220話(南アフリカ共和国)での、カジと、ドミニク(ドライバー)(こちらは、カジが告白してカップル成立)で、1勝2敗である。

その日の夕方、ペンドちゃんが、ヒデを呼び出す。
ペンド「婚約者はいるんですか?」
ヒデ「いないよ・・・ペンドは好きな食べ物は何なんだい?」
ペンド「ごはんが好きです」
ヒデ「僕もごはんが好きだよ」
単刀直入に異性がいるか確認。そして、ペンドちゃんがあるものを取り出す。それは、手作りのお弁当。中にとは言うと、バッタの炒め物。これは、「セネネ」といい、タンザニアではバレンタインチョコよりも大切な、女性から男性へのプレゼントとされている。(※1)

※ (※1):便り24「セネネ(バッタ)は愛の証」 ( タンザニア便り )

これをもらうと言うことは、告白されたも同然で、
ヒデ「え?僕の事好きとかそういう可能性はありますか?え?あマジっすか?」
通訳「全部食べるのが、礼儀というもので。食べないと凄く失礼な意味になっちゃうから」
ヒデ「ホントに?」
ヒデは、ペンドちゃんからもらった「セネネ」をひたすら口に入れた。

翌日、村祭りの日、ヒデと、ペンドちゃんのダンスが始まる。大盛り上がりである。

翌日も、ヒデと、ペンドちゃんは、共に行動。で、念のため、ヒデが、ペンドちゃんのこどをどう思っているか、スタッフが確認。
ヒデ“彼女の笑顔にすごく元気をもらって・・・何より僕にすごく優しくしてくれて。僕の事をそんなふうに言ってくれる人いなかったですし、全然僕より大人っぽくて、頭も良くて、ただ日本人じゃないというだけで中身は僕のまさにタイプな子ですね・・・”
ヒデ“ほんと僕の理想な・・・。大げさかも知れないですけど、ほんとに恋っていう、そういう気持ちですね”

村での最終日、
ペンド“ヒデの全てが好きです。彼のしぐさが好き。彼の笑顔が好き”
いつもの笑顔がないペンドちゃんが向かった先は、ラブワゴン。
ペンド「チケットを下さい」
ペンドちゃんが、ヒデへの告白を決心した。

そして、
ヒデ「マンボ」
ペンド「ポア」
 呼び出されたヒデがやって来た。
ペンド「・・・・・・」
 タンザニアの田舎に暮らす女性にとって、自ら男性に告白するのは普段では考えられない事。
 緊張のあまり、なかなか切り出せない・・・。
ヒデ「こっち向いてよ。ど、どこ向いてるの?」
ペンド「どうして?」
ヒデ「いつものペンドだったら笑顔だけど・・・」
ペンド「私が笑った方が好きなの?」
ヒデ「笑顔かわいい」
ペンド「ンフ」
ヒデ「ンフ」
ヒデ「聞きたい事とか何かない?何でもいいから」
ペンド「本当にオカマなの?」
ヒデ「オカマじゃないよ。あれは冗談だって。これはアクセサリー、でも日本じゃ評判が悪いんだ。僕がこれを付けてるのを見て」 ペンド「似合ってるよ。そんな事言う人達はウソつきだ」
ヒデ「ホントにそう思ってる?(僕の方を)なんか見てないじゃない」
ペンド「こうやっててもちゃんと見えてるよ」
ヒデ「ンフフフ」
ペンド「ンフフフ」
 そして
ペンド「ウン!」
ヒデ「うん?」
 チケットを差し出すペンド。
 ヒデは、ペンドちゃんの決意の固さを知った。
ペンド「有難う」
ヒデ「うんまた明日ね」

その日の夜遅く、ヒデは、かよを呼び出す。
ヒデ「あぁそうだよね。明日もし・・・僕がいなくなってたらどうかな?」
かよ「理由がなんかあるんだったら、納得するような理由があるならいいけど、ただ納得できない理由だったらとりあえずぶっとばす。見つけてぶっ飛ばす」
ヒデ「うん。・・・あぁ有難う。あんもういい。大丈夫・・・」
かよ「大丈夫?」
ヒデ「大丈夫・・・あ有難うございました」

翌日、タブさん一家との別れの日、ラブワゴンが出発しようとすると、
ディレクター「ヒデが告白をされているので、皆さんは見守っていてあげて下さい」
メンバーびっくり、そのまま、見守ることに。

ヒデ「マンボ」
ペンド「ポア」
ペンド「昨日はどうも有り難う。答えを聞かせてほしい」
ヒデ「初めて僕と出会った日、全然知らない人間なのにすごく笑顔で接してくれて、いっぱい気遣ってくれて。バッタ、美味しかったよ。でも慣れてないからちょっと食べ辛かったけど、すごく嬉しかった。君はすごい魅力的な女性だから君と一緒に過ごすうちに君のことをどんどん好きになっていくと思う・・・けど・・・ペンドに告白されてから悩んで見つかった気持ちもあって。遣り残した事がある。一緒には帰れない。ごめんなさい。ペンドに会えてよかった。ありがとう」
ペンド「アサンテ(ありがとう)」
ヒデ「有難う」
ペンド「アサンテ」
ヒデ「アサンテサーナ」
ペンドちゃんの残し、ラブワゴンは、走り去った。。。
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